賃貸住宅における「通常の使用、使用収益」とは(原状回復について)
「管理業務一覧ページ」
「物件の管理・募集のご依頼はこちらへ。」
「2か月~1年以内の短期で賃貸に出されたい大家様はこちらへ」
賃貸住宅を出る際、必ず原状回復を行いますよね。
次のご入居者さんが気持ちよく住めるように。
今日はこの「原状回復」についてブログして参ります。
建物賃貸借が終了した際、当たり前ですが、賃借人は建物を賃貸人へ返還する義務が生じます。
その際、賃借物を受け取った後にこれに生じた損耗が有る場合、賃借人はその損耗を現状に復する義務を負います(民法621条)。
これを「原状回復義務」と言います。
ただし、通常の使用および使用収益によって生じた賃借物の損耗や、経年劣化によって生じた損耗は賃借人に貸さずとも、
賃貸人が自ら使用した場合でも生じるものと判断され、賃借人はその損耗についての原状回復義務は負いません。
また、その損耗は賃借人の責めに帰することが出来ない事由によるものであるとき、つまり、賃借人の落ち度ではない損傷も、賃借人に原状回復する義務はありません。
上記民法以外においても、国土交通省も原状回復のガイドラインを定めております。
「通常の使用による損耗」について、少しお話しましょう。
例えば、家具の設置傷はどうなるのか?
家具は入居後、ずっと床面に設置することが多いため、
退去時、床がへ込んでいたりする場合が多いですね。
これは「通常使用の損耗」に入るのか否か?
答えは、前者です。
つまり、設置したことで凹みや跡は原状回復義務を負いません。
その他、天井や壁のビス穴はどうなるのか?
賃借人がWi-Fiの付いたプロジェクター内蔵の製品を天井にビス穴を開けて取り付けた場合、
これは賃借人の使い方次第で発生したりしなかったりするものに位置付けられ、
賃借人の原状回復義務の対象となります。
つまり、「通常の使用損耗」にはなりません。
犬や猫などペットの臭い消しや消毒も同じ扱いになりますね。
さて、
賃貸住宅は購入するより、
貸主による保証が沢山有り、便利な面も多くあります。
ただ、同時に「借りている」という気持ちを忘れずに大事に使用することも、求められますね。
また、貸主さんもトラブルが嫌がる故、原状回復の負担割合を有耶無耶にしてませんか?
損してませんか?
退去後は、
冷静かつ毅然とした態度で、「通常の使用損耗か否か」の判断の下、
対応されることをオススメ致します。